このプロジェクトについて

生産準備工程の効率化を

高層ビルや大型ショッピングセンターなどの建築物は、型鋼や鋼管を加工して作られる柱、梁などの鋼構造物で支えられています。鋼構造物は、建物やフロアごとで支えるべき重量が違うことから、太さや形など1本ごとの設計が異なっています。この設計・製作現場で活かされているのがCAD(コンピュータによる設計支援ツール)です。

完成図面は、設計事務所や発注元などからCADデータとして提供されます。しかし、実際の鋼構造物製作に必要な情報(展開図や部品図)は、改めて描き直す必要があり、多くの人手と時間を費やしているのが実状です。

本プロジェクトでは、「生産準備工程」を見直し、自動化の取り入れと情報システムの適切な運用により、CAD図面に関連するプロセスの効率化、リードタイムの削減を目指します。

エピソード1共同研究のスタート

カガヤでは、生産準備工程の効率化・自動化について、お付き合いのあった岩手県立大学ソフトウェア情報学部経営情報システム学講座の竹野健夫教授にご相談したところ、ご協力頂けることになり、共同研究としてスタートしました。

エピソード2前例のない挑戦。脱手作業へ!

鋼構造物製造業界でも生産工程自体の自動化は年々進んできてはいますが、第一段階の「生産準備工程」については注目されておらず、多くの中小製造業者では旧態依然とした手法が用いられているのが現状です。

また、発注元が提供するデータをそのまま活用できない問題は、鋼構造物製造業に限らず、多くの製造現場で見受けられます。

このことから、本研究で得られた知見は、製造業の分野を問わず「生産準備工程」のBPR(業務プロセスの見直し・改善)の基礎となり得るものとして期待されます。

エピソード3立ちはだかる壁

この研究の数次計画を立て、目標を3つに切り分けました。
初年度は重点的に、「① 図面データの自動変換」と「③ 製造支援システムの構築」を執り行うこととしました。

① 図面データの自動変換

提供された図面データを自動的に解析し、製造に必要な情報へと変換する。

② 生産計画の作成支援

鋼構造物を建築現場へ納品する順番と、製造現場での生産性・コスト面を考慮し、最適な生産順序を導く。

③ 製造支援システムの構築

①と②の結果を受けて、これらの機能を統合する情報システムの構築を行う。

まず、カガヤが提供した図面データの分析や、生産計画の組み合わせ計算を実施して頂くことになりました。実務内容の実地調査・ヒアリングと並行して、システム構築のためのハードウェア設備やシステム環境等も整備されました。

順風満帆なスタートを切ったようにもみえましたが、双方の業務の兼ね合いや時期的な問題等も重なり、ヒアリングや調査が十分に行えず、計画通りには進みませんでした。

そのとき誰もが感じていたこと。
それは「時間、時間さえあれば。もっと時間が欲しい・・・」。

エピソード4諦めない

元の図面データで活用できる部分が多い場合は、生産準備工程の効率化が可能になります。そこで、図面データを自動的に解析し、生産準備工程の部分的自動化を目指していきました。

ところが、解析・分解において対応しきれないデータフォーマットがあり、そこで足止めを余儀なくされたのです。

COMMING SOON...

研究の進捗状況は、随時掲載していきます。